本作品は性的表現が多分にございます。苦手な方は閲覧を控えられるようお願いいたします。




 枕元に人の気配がしてサスケは目が覚めた。
月明かりの中覗き込んでくる影は一番身近な彼女の形で、サスケは自分の現在の居場所が自宅の寝室であることを思い出す。
 旅をするようになってから、いや、幼い時分に里を抜けたその時から
少しの気配でも敏感に察知して目覚めるほどサスケの眠りは浅くなっていた。
サクラの後ろでカーテンがわずかに揺れている。暑い。
室内に籠る熱を逃がしたくて開けた窓だったが望むような効果は得られなかったようだ。


「帰ったのか、おかえり」

 暗がりに目が慣れ、見えた彼女の顔は僅かに紅潮し表情はだらしなく緩んでいる。
黒のキャミソールにショーツの出で立ちの彼女の足元にはそれ以外に身に纏っていたであろうものが落ちていない。
玄関から寝室の前まで上着だのポーチだのが点在しているのが見てもいないのにサスケの脳裏に浮かぶ。
酔っ払ったサクラの悪い癖だ。

「サスケくんこそおかえりなさ~い」

 覆い被さって抱き付いてきたサクラの身体はいつもより熱く、常より強く発される体臭にアルコールの匂いが微かに混じっている。

「お前、どんだけ飲んできたんだ」
「だって綱手様と一緒だったんだも~ん」

 語尾をぽんぽんと軽快に弾ませながらまじまじとサスケの顔を覗くとサクラはにへらっと更に顔の筋肉を緩ませた。

「私、サスケくんの汗の匂いって好きだな」

 そう言うとサクラはサスケのほっぺたを乱暴に両手で覆いサスケの口内に舌を侵入させてきた。
梅酒の味と匂いもサクラの舌と一緒に流れ込んでくる。侵入してきた舌はいつもと違い大胆でやはり熱い。
 口づけに没頭し息を荒くするサクラのキャミソールの隙間から胸の頂がちらりと覗く。
その形を確かめようと伸ばしたサスケの手は、柔らかい手にその行く手を阻まれた。
 唇をサスケのそこから離しサクラはニヤリと笑みを浮かべる。
暗闇の中、翠の双眸は妖しく揺らめき、朱色に濃く染まった唇はどちらの唾液ともしれずにてらてらと光っていた。

「き~めた!今日はサスケくんのまねっこする!」

 サスケに馬乗りになって覆い被さっていたサクラだが上半身を起こし高らかに宣言すると
サスケの浴衣の帯をシュルリと解き、彼の右手を頭上のベッドフレームに拘束した。
 緩慢なしゃべりとは裏腹に素早い動きで封じ込めたサクラが得意げにサスケの上で笑う。
 サスケはサクラの手際の良さに彼女が医療忍者だからと納得しつつも、
ようやく頭上の女がしようとしていること、いわく『まねっこ』の意味を悟る。
「おい、サクラ」と戸惑うサスケをよそにサクラは目の前の浴衣の袷をがばりと開いた。

 鍛え抜いた体躯がサクラの瞳に晒されサスケは自身の頬に熱が集まるのを感じた。
いつもと同じだ、行為の時は必ず肌を晒すのに、なぜするのとされるのとではこんなにも違うんだ。
 サクラは己の頭がちょうどサスケの心臓の辺りに来るように再びサスケの上半身に自分のそれを重ねる。
人差し指と中指をサスケの脇腹の辺りから上へと、まるでくすぐるように動かしていく。
 普段めったに触られることのない場所にサスケの身体はぴくりと身動いだ。
サクラの指は縦方向から横方向へと向きを変え、目指す標的の周りをぐるりと周回した。

「男の人もここ、気持ちいいんだって」

 埋もれている頂を爪で軽く弾いて見せつけるように舌を出してペロリと舐める。
サスケの身体がまた僅かに動いた。
 サクラは明らかに自分の反応を楽しんでいる。
サスケはそう分かっているのに挑発的に見上げて来る彼女の様子から目を逸らせないでいる。
サクラもまたサスケから浴びせられる戸惑いの視線を真っ直ぐに受けて見つめ返す。
 舌先を出してちろちろと弄び、硬く立ち上がった乳首から一旦口を離したサクラは先端を唇で軽くちゅっと音をさせて口づけた。
その行為は口淫の最初にサクラがいつもするそれと同じでサスケは下半身の一点にあっという間に血流が集まるのを感じた。
 勃ち上がったそこが馬乗りになった自分の尻をつんと刺激したのが分かってサクラは更に乳首への愛撫を続ける。

「ね、気持ちいい?」

 頬を赤くし息を乱すサスケの変化は明らかだ、分かっているのにサクラは敢えて尋ねている。
いくら寝起きのふいうちだったとはいえ、完全に主導権を握られているこの状況はサスケにしてみればはっきり言って面白くない。
 サスケはふいと視線を逸らし沈黙を決め込んだ。

「もう、素直じゃないんだから」

 サクラはサスケの胸元から離れへそや腰骨へと口づけを落としながら少しずつ身体を下降させていく。

「サスケくん、ここすごく熱くなってる」

 下着越しに掌全体で覆いこむようにしてサスケの形を確かめ息を吞む。

「ふふっ、いつもより硬いね。興奮してるんだ」

 下着を脱がせサスケのペニスを舐め始めたサクラだがサスケはすぐに違和感を感じた。
根元から亀頭に向けて舐めている舌が、全体ではなく舌の先が触れるか触れないか、しかも殊更にゆっくりとしか動かない。
亀頭まで辿り着くとまた根元から同様にする。
何度も同じ繰り返し、ペースは一定、ざらりとした感触が当たるのもごくわずか。
 そのじれったさは性急に上り詰める快楽ではなく、ぞくりと脊髄から全身に波紋が広がるようにじわじわと広がっていく。

「…サクラ」

 とうとう耐えきれなくなりもっと直接的な快感が欲しくてサスケが名を呼ぶと、サクラにサスケの考えが通じたようだ。
わざわざ身体を起こして自身のショーツを脱ぎ捨てる様をサスケに見せつける。
サクラの身体からショーツが離れるその瞬間、身体とショーツの間をぬらりと光る銀糸が確かに繋がれているのをサスケは目の当たりにして思わず唾液を吞み込んだ。

ぬちゃり

 亀頭に熱い入り口をあてがわれぐるりと円を描く動きをされる。
サスケは反射的に腰を突き上げたが蜜壺も同じように上へと動いた。
 唖然としたのと同時にここまで焦らされるのかと悔しくなって思わず歯噛みする。

「サスケくん、聞こえた?もう準備できてるの…どうしてほしい?」

 頭上から響く声にも猫のような瞳にも愉悦の色が混ざり込んでいる。
 入れたい、頭の中はその単語で埋め尽くされているのに男の矜持が邪魔してか口には出せない。
ここで言葉にしたら男として負けだ、との声も脳内で声高に叫ぶ。
 サクラは尚も亀頭に自身の最奥の入り口をつけたままで上半身をもたれかからせて来た。
キャミソール越しにサクラの乳首が主張しているのをサスケの肌に知らせる。
 サクラは耳元で小さく囁いた。

「ねえサスケくん、どうしたい?私…もう待てないよ」

 ふっと優しく息を吹きかけられ耳穴に無遠慮に入って来た舌が中で縦横無尽に動かされる。
耳の中で響く音は結合した時の乱雑でみだらな音と同じで、
まだ尚も先端しかついていないサクラの花筒に自身を埋めたい衝動がサスケの理性を遂に吹き飛ばした。

「…入れたい…サクラの、中をめちゃくちゃにしたい」

 サクラは満足そうに口角を上げると上半身を再び起こし、自身を重力に従ってゆっくりと沈めていく。
サクラの身体が沈むにつれて二人の零す吐息も自然と荒いものに変わっていく。

「いい子ね。好きに動いていいよ」

 サスケのすべてが納まったのを確認したサクラはサスケの頭を一撫でし、彼の手を拘束していた帯を解いて口づける。
合わさった唇が離れたのを合図にサスケはサクラの腰に手を添え更に奥を目指して上へと突き上げた。



「お前はどこであんなことを覚えて来るんだ?」

 お互いの身体から発散される熱がようやく平静に戻った頃サスケは隣に横たわる彼女に尋ねた。
今まではいつも受け身だったサクラによもや襲い掛かられる日が来ようとは思いもせず、
サクラに限ってまさかと思いつつも自分が不在の間に.…とあらぬ方向へと考えが動いてしまう。
 サクラはしばらく言い淀んでいたがやがて「怒らない?」と尋ねて来たのでサスケはまさか、と内心慌てる。

「綱手様がね、『アイツは絶対にムッツリだからしてやったら喜ぶぞ』って…」

 サクラの発言にサスケは思わずガバリと上半身を起こした。
冷汗がだらだらと浮かんで来る。

「お前はこういうことまで包み隠さず報告してんのか…?」
「わ~!言わない、言わないよ!!
でも綱手様があんまりしつこく訊いてくるから、どうしたら喜ぶと思うかって訊いたら教えてくれたの。
それだけ、それだけだから!」

 以前も何でも話すな、余計なことを吹き込むなと師弟共々釘を刺したのに、当分綱手と顔を合わすまいと固く誓うサスケだった。






ふしだら






サスケお誕生日おめでとう!
酔っ払いサクラちゃん、サスケの寝込みを襲う、の巻でした笑
今年のサクラちゃん誕生日が去年のサクラちゃん誕生日と同様に結婚がテーマだったので、
サスケの誕生日もそれに倣って去年と同様えっちなものにしました。
今年はサスケが結婚して家庭持って初の誕生日、という特別なものに関わらず相変わらずマイペースですみません笑
最後までご覧くださってありがとうございます。楽しんでいただけたなら幸いです。


20150723

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