暖かい春の日差しの中で沢山の人の話し声や笑い声、歓声がところどころで起こっている。
2人の男女がその輪から少し外れたところでそれを眺めながらぽつりぽつりと言葉を交わしていた。
時折、輪の中から一人二人と抜けてきた人々が男の盃に酒を注いだり二言三言祝辞を述べていく。
女はその様子を自分のグラスに口をつけて眺めたり、やってきた人と一緒になって男に軽口をたたいたりしている。

「本当に怒った時って目の端が赤くなるのよ」
「知ってる」
「家事ばかりやっててもストレス溜まるんだから女子会は許してよね」
「女子って年か」
「機嫌直すにはやっぱり花が一番よ」
「餡蜜もだろ」

女はからかうような軽快な口調で話しており、男は淡々と最低限の言葉を返すだけだが、けして不機嫌な感じはしない。
自分の言葉に一歩も引けをとらないで男は話すので、女は正直面白くなくなってきた。


 暫しの間の後、女は何かをひらめいた様子で、いたずらっぽく口元を上げて言った。

「じゃあねー、サクラの宝物ってなんだと思う?」

初めて渡した彼女と同じ瞳の色のピアス、左手の揃いの銀の指輪、の二択が黒髪の男の頭の中で浮かんだ。
男の憮然とした表情に彼女の幼馴染は満足したようで、更に口角を上げた。

「口に出すの恥ずかしいんだけどねー、サスケ君の寝顔だって。
こんなこと言うなんてサクラってやっぱり頭のネジぶっ飛んでるわ」

いのは立ち上がり輪の中に少しずつ戻ろうとしている。雲ひとつない青い空の下、金糸のような髪が柔らかく風にたなびいていた。

「結婚おめでとう、サスケ君。なかなか任務で帰れないかもしれないけどなるべくお家に帰ってあげてね」
「お前に言われるまでもねえよ」

サスケはいのの奥の向こうに視線を移して、立ち上がる。


 視線の先には本日の主役の桜色した花嫁が大きく手を振って2人を呼んでいた。



 今日は2人の新しい始まりの日。





サクラちゃん、ハピバ!!  将来、彼女の隣に彼がいてくれることを、ふたりが笑っていることを祈ってます。

 
 二次創作に触れてきて10年以上経ちますが、その間ずっとずーっとずーーっと(笑)人様の作品にお世話になりっぱなしでした。
妄想は日々嗜んで参りましたが、頭の中のぐるぐるエンドレス、モヤモヤ雲散霧消をもうちょっときちんとした形にしようと思い、今回立ち上げました。
心はいまだに未成熟ですが一応いい大人なので(笑)、ひとつひとつを形にするのに時間はたくさんいただきますが、愛だけは十分に詰めております。。

 サクラちゃん大好き!!本当に幸せになって欲しい。一途な女の子は大好物です。
どうせ始めるなら、サクラちゃんのバースデーに、と思って今日を待ってました(笑)
皆様のサクラちゃんBDお祝いを見に行ってきます。

20140328

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